
DXやAI活用の必要性は理解していても、情報システム部門の人手が足りず、日々のトラブル対応だけで手一杯になっている。中堅企業では珍しくない光景です。「ひとり情シス」の限界と、その乗り越え方を考えます。
情シスに業務が集中する構造的な問題
DX推進、AI導入の検討、セキュリティ対応、社員のPC管理、リモートワークのトラブル対応。これらすべてが、数名、時には1人の情報システム担当者に集中している企業は少なくありません。デジタル化を進めたい経営層の期待と、それを支える現場の人員体制との間に、大きなギャップが生じているのが実情です。
日本全体でIT人材が不足しているという調査結果は年々増えており、デジタル化推進における課題として「人材不足」を挙げる企業は4割を超えています。特に従業員数百名規模の中堅企業では、情シス担当者が数名という体制も珍しくなく、1人あたりの業務範囲は際限なく広がりがちです。
なぜ中堅企業ほど採用が難しいのか
クラウド、セキュリティ、DX推進の経験を持つ人材は、大企業や外資系企業との採用競争にさらされています。中堅企業の採用予算では優秀な人材を確保しづらく、人材紹介を使った採用には1人あたり100万円を超える紹介手数料がかかることも珍しくありません。
さらに厄介なのは、苦労して採用・育成した情シス人材ほど、キャリアアップのために転職しやすいという構造です。属人化した業務が多い「ひとり情シス」の環境では、後任の育成もままならず、退職と同時にノウハウが失われるリスクを常に抱えています。
「なんでも屋」になってしまう情シス担当者
人員が限られた情シス部門では、担当者の役割が際限なく広がりがちです。基幹システムの保守、社内ネットワークの管理、セキュリティ対応、社員から寄せられるPCトラブルの相談、新しいSaaSツールの選定まで、性質の異なる業務がすべて同じ担当者に集中してしまうケースが少なくありません。
このような状態が続くと、本来注力すべきDX推進や戦略的なシステム投資の検討に充てる時間がほとんど確保できなくなります。目の前のトラブル対応に追われるうちに、気づけば1年が過ぎていた、という声も珍しくありません。経営層が「DXを進めてほしい」と期待する一方で、現場の担当者は日々の運用に追われているというギャップが、多くの中堅企業に共通する構造的な課題です。
DXが止まる、よくあるパターン
情シス体制が手薄な企業でDX推進が停滞するときは、いくつかの共通パターンが見られます。
- 日々のトラブル対応に追われ、戦略的な検討に時間を割けない
- ツール導入の検討はできても、運用・保守まで手が回らない
- 属人化した業務が多く、担当者が変わるたびにゼロから体制を作り直す
これらは個人の努力不足ではなく、体制そのものの限界から生まれる問題です。
情シスの人手不足は、採用を増やすだけでは根本的に解決しません。業務の棚卸しと、外部リソースの活用を組み合わせた設計が現実的な打ち手になります。
中堅企業が取れる現実的な打ち手
業務の棚卸しと優先順位づけ
まず、情シス担当者が抱えている業務を洗い出し、「戦略的に取り組むべき業務」と「定型的な運用業務」に分けることが出発点になります。すべてを内製で担おうとせず、優先順位をつけることが重要です。
定型業務を外部パートナーに委ねる
システムの運用保守やヘルプデスク対応など、定型化しやすい業務を外部パートナーに委ねることで、社内の担当者は戦略的な業務に集中できるようになります。業務を外に出すことは「丸投げ」ではなく、限られた人員を最も価値の高い業務に振り向けるための選択です。
一気通貫で相談できるパートナーを持つ
システム開発から運用保守まで、窓口が分散していると、トラブル発生時の対応スピードが落ちてしまいます。要件定義から開発、運用保守までを一気通貫で任せられるパートナーを持つことで、情シス担当者の負担を大きく減らせます。
「相談できる相手がいない」ことの重み
ひとり情シスの担当者にとって、技術的な負荷以上につらいのは、判断に迷ったときに社内で相談できる相手がいないという孤立感です。新しい技術の導入判断や、トラブル発生時の優先順位づけを、常に一人で背負い続ける状態は、精神的な負担も大きくなります。
外部パートナーを持つことの価値は、単に作業を代行してもらうことだけではありません。技術的な相談ができる相手が社外にいるというだけでも、担当者の負担は大きく軽減されます。DX推進を「一人で頑張る」ものにしないという発想の転換が、持続可能な体制づくりの出発点になります。
まとめ
「ひとり情シス」の限界は、担当者個人の問題ではなく、体制の設計の問題です。業務の棚卸しを行い、外部パートナーとの役割分担を見直すことで、限られた人員でもDX推進を止めずに進めることができます。
情シス体制の見直しについて検討している場合は、無料相談からご相談いただけます。まずは現状をお聞かせください。


